父さん、棄てないで!
どうか棄てないで父さん!
あれはこれからのぼくにとって、
大切な宝物なんだ!!
(音楽イン)
「まだあったかなぁ~」「あってもボロボロだぞ!」
いいんだ兄貴、今のぼくには十分なんだ。
それは確かにボロボロだったけど…
ガムテープで補修だらけの茶箱だったけど…
自分の今までの人生をみてるようで…
母さん…ぼくはコーヒーの生豆を大事にこの中で保管しようと
決めたんだ。
その箱にはひいじいちゃんの名前が入ってたんだ
「お前達の代で製茶は終わったけれど
あとはお前がこの茶箱を引き継いでくれよ!」と
声が聞こえてきたんだ
ここのところの突然の雨も上がって、
なんだかぼくの気持ちもはれやかになっていた
それが夏の終わりに起こった小さな出来事だった。。